日本循環器学会
座長 東京大学大学院医学系研究科 循環器内科 教授 永井 良三 氏/国際医療福祉大学三田病院 病院長 小川 聡 氏
長井先生

本セミナーの座長を務めた永井氏は講演の開会に先立ち、心房細動の現状と、今回のテーマ「心房細動と心原性脳塞栓症」について議論する意義に触れた。

心房細動は高齢化とともに患者数が増加傾向にあり、また、予後が重症になりやすい心原性脳塞栓症の原因として、社会的にも大きな問題になりつつある。治療の分野では、心原性脳塞栓症の予防薬として長らく使用されてきたワルファリンに加え、2011年3月には新規抗凝固薬ダビガトランが登場。ワルファリン治療における投与量の調節などの問題点の解決が期待されるなか、ダビガトランによる副作用も報告されており、適正使用へ向けての議論が注目されている。

今回のテーマは、心房細動と心原性脳塞栓症に関する議論であると同時に、新たに承認・販売される薬剤をどう評価するのが適切か、という議論につながる。永井氏は「新規の薬剤は、副作用を含め実臨床により初めて得られる情報が多々あり、その情報をどのような体制で収集しどう評価するかが日本の医療に問われている」と述べ、挨拶を締めくくった。

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