Diagnostic Performance of a Novel Cadmium-Zinc-Telluride Gamma Camera System Assessed Using Fractional Flow Reserve (Circ J No.11 2727-2734 )

編集長のコメント:
 心臓核医学検査は心筋血流の機能的評価に重要です。本研究は,新しいCZT超短時間型カメラシステムが201Tl心筋シンチ検査において有用であることをFFRを基準にして証明した点で重要です。
出典元:Medical Tribune(2014年11月27日号 P30)

著者の横顔:
所属先:東京医科大学茨城医療センター循環器内科
氏名 :田中 宏和氏
  田中氏は1996年に札幌医科大学を卒業。2002年に東京医科大学循環器内科に入局,核医学班に所属し,同科の山科章主任教授,近森大志郎教授の指導を受けた。田中氏らは,従来のアンガー型ガンマカメラに比べて,CZTガンマカメラの撮像時間は大幅に短縮されるが,MPIの画質には遜色がないことを昨年報告(Circ J 2013; 77: 1009-1017)。今回の研究では,CZT SPECT装置がFFRを指標とした機能的な冠動脈有意狭窄の検出に有用であることを示した。  CZTガンマカメラの優れた性能を使いこなすための課題の1つとして,同氏は,テクネチウム(99mTc)を用いた検査が世界的にも主流となっている中で,より半減期が長く,被ばく量の多い201Tlが核種として使用されている点を挙げる。今後,CZTガンマカメラにおける99mTc,201Tl両製剤による診断精度が異なる原因を明らかにし,99mTcを使用して診断精度を向上させる工夫が必要になると指摘する。  同氏は昨年から同大学茨城医療センターに勤務。今年,心臓リハビリテーション指導士資格を取得し,理学療法士,看護師,管理栄養士とともに,狭心症や心筋梗塞,心不全などの患者の再発予防や社会復帰を支援している。同氏は「個々の患者の病態や心肺機能検査結果に基づく運動メニューを提示し,運動の習慣化を支援できれば,再発リスクを軽減できる。退院後はリハビリテーションに通えなくても,セルフケアとして運動や食生活の改善を継続する患者もいるので利点は大きい」と,心臓リハビリテーションの魅力を語った。
出典元:Medical Tribune(2014年11月27日号 P30)