Patterns of Pulmonary Vein Potential Disappearance During Encircling Ipsilateral Pulmonary Vein Isolation Can Predict Recurrence of Atrial Fibrillation (Circ J 2014; 78: 601 - 609)

編集長のコメント:
心房細動に対するアブレーション治療(肺静脈隔離術)は,現在,世界中で広く行われていますが,少なからず再発することが問題になっています。本研究は,肺静脈電位消失パターンがその後の再発を予見する可能性を示した点で臨床的意義があります。
出典元:Medical Tribune(2014年3月27日号p23)

著者の横顔:
所属先:名古屋第二赤十字病院
氏名 :滝川正晃氏
(現・横須賀共済病院循環器内科医長)
 滝川氏は神戸大学出身。生化学者の父を持つが,人と接する仕事をしたいと,臨床医の道を選んだ。福岡県飯塚市の飯塚病院で故・竹下彰氏(九州大学名誉教授)に初期研修の指導を受けたことをきっかけに,循環器医を志した。国立循環器病研究センター勤務を経て,名古屋第二赤十字病院で,副院長・第1循環器内科部長(兼)の平山治雄氏,第2循環器内科部長の吉田幸彦氏らの指導を受け,虚血・不整脈治療の経験を積んだ。
 名古屋第二赤十字病院では,AFアブレーション治療で,焼灼終了後,常にPV-Carinaからペーシングを行っていたが,吉田氏からPVPの消失パターンとPV-Carinaの隔離率,AFの再発率との関連に関して調べてみてはどうかと助言を受け,この研究に取り組んだ。また,山田功氏(アラバマ大学心臓血管部門講師)の指導を受け,本論文の完成に至った。滝川氏は「アブレーション治療の成績向上のために,上下肺静脈の同時隔離の重要性を強調するとともに,焼灼終了後のPV-Carinaからのペーシングは,PVとその周辺部を含む隔離の完成を確認する上で極めて重要なことが確認できた」と話す。
 同氏は医師になって今年で12年目,現在は横須賀共済病院(神奈川県)循環器内科で不整脈を中心に診療している。「現在を含め,どの時期にも指導者に恵まれ,充実した研修を受けることができたことは,本当に幸せなことだ。今後も臨床医であるとともに,一科学者として医療に少しでも貢献できればと願っている」と抱負を述べている。
出典元:Medical Tribune(2014年3月27日号p23)